プロット『よこしま職人アルジェ!』 キリロン王国にある「カシュー・スクール」。 ここでは王立の神像彫刻家見習いを育てる塾である。 階段を登った高台にある。……いちおう名門。 しかし、塾長のカシューはうかない顔をしている。 と、そこへ郵便配達人がやって来る。 「む……!」カシューの目が生気を帯び、口元にはかすかに笑みが。 「おっはようございまーす! カシュー先〜生♪」 塾の落ちこぼれのアルジェが元気に現われる。 カシューに恋してるアルジェの目はウルウル。 (アルジェの彫刻の腕が上がらないのは、カシューを見てばかりで うっとりして手が動かないからである。) 「アルジェ君……!」 いきなりアルジェの両肩をつかむカシュー。 「ほへ!?」アルジェびっくり、でも嬉しい。 「中途入学のチャンスだよ……!」 「ほにゃー(うっとり)」「……聞いてるのかね?」 カシューのもとに届いたのは、神像彫刻家第43期に途中入学する特別試験の知らせ。 カシューがツテも使って得たチャンス。 既に見習い試験に3回も落ちているアルジェを何とかして早く受からせたいのだ、 塾の名誉のために……。 塾の工房の一室で一生懸命作品作りに励むアルジェ。 「頑張るんだよ!」という愛するカシューの声が姿が浮かぶが、 慌てて振り払い、製作に向かう。 「今度こそやらなきゃ!」 その姿を遠目に見ているのは塾の後輩のミーナ。 後輩ではあるが、アルジェはいわば留年続きのため同期である。 「ふふふ、まだ受かってもらっちゃ困るもーん♪」 アルジェがお気に入りのミーナは自分といっしょに来期の試験に受かろうと 願っているのだった。 そしてミーナの妨害が始まる。 「すっごく面白いマンガですよお!」 「これ、インパラ地方でしかできないお菓子なんですって!」 「あ、先輩も少し休んでいっしょにゲームしません?」などなど。 しかし、アルジェは戸惑わない。 「いつもと違う……」ミーナやや驚き。 「でも、腕が急に上がるわけないよね!」 とアルジェが席を外した隙にその試作品を眺める。 ミーナの仲間の一人が「やっぱアルジェ先輩よね」と笑う。 が、ミーナは気づく「下手だけどイキオイがある……!!」 アルジェ散歩から帰る途中。 「よーし、頑〜張〜るわったし〜!!」 と、塾に近づくアルジェの足が止まる。 アルジェの目の先にカシューとネイファンが会話している光景。 ネイファンはカシューの胸にイタズラっぽく顔を寄せたりして楽しそう。 「何で気づかなかったんだろう……3年も……3年もいるのに!」 アルジェ少し泣いてしまう。 落ち込んで工房に戻ってくるアルジェ。 「アルジェ先輩?」ミーナ気遣う。 「わたし、バカだ……!」再び涙ぐむアルジェ。 「そ、そんなことありません!!」 ミーナ続けて、 「ダイジョウブです! 受かります、きっと! うまく言えないけど、 今までの先輩の作品じゃないです! あたし……ちょっと感動です!!」 アルジェしばし唖然。 「やりましょう、先輩!」 「……うん!」 アルジェはまた製作に取り組む。その目は真剣そのもの。(職人の目?!) 作品ができあがって、試験官がそれを見る。 試験官は派遣されてきたネイファン。 緊張するアルジェ、カシュー、そして離れてミーナ。 「……ギリギリ、かな?」と笑みを見せるネイファン。 喜びに満たされるアルジェたち。 「やったな!」「おめでとう! 先輩!」 祝福を受けて舞い上がるアルジェ。 と、階段を作品ごと転げ落ちるアルジェ……。 病院で。 包帯だらけで安静中のアルジェ。 アタマを抱えているカシュー。苦笑いのネイファン。 そこへミーナがやって来て、 「合格しましたよー♪ いっしょに上がりましょうね!」 (アルジェ泣き笑い) Fin <設定> とある世界のとある国……ファンタジーです。国名はキリロン王国。 この国では、国のシンボルとなる守護神の像を作るのに熱心で 王立の工房に神像を作る専門の職人を抱えています。 その職人になるにはまず「職人見習い」にならなければならず、 それになるための試験にパスするための塾がいくつかあります。 カシューの塾もその一つ。一応名門で、生徒はだいたい合格しています。 ※なお、見習いになれても全員が神像職人になれるとは限りません。 見習い試験の時には、まず神像に使える従者の像を作ることになっています。 (今回アルジェが作っているのはこれです。) 見習い養成の塾は元職人のライセンスがないと開けません。 カシューも元職人です。国家の許可制がしかれてるわけです。 <希望とか> 少女マンガ風かいわゆるファンタジー雑誌のフワッとした絵がいいかな、とか。