タイトル「あの日と同じ・・・」   登場人物 上本圭吾(23)会社員 梶山ひるま(22)別の会社のOL 南健太(23)圭吾の同僚、同期 三橋律子 圭吾の元カノジョ 林課長(45)圭吾の上司   本文 ○雨降る街角(5年前・夜) 律子「じゃあ……」   去っていく律子。   呆然と佇む圭吾(18)。 圭吾M「オレのクリスマス受難はあれから始  まったんだ!」 ○圭吾の会社・外観(現在) T「12月23日−−」 ○同・中・圭吾の席   圭吾(23)は片肘をついてパソコンを   眺めている。 圭吾M「あれから5年……オレはクリスマス  を恋人と迎えたことがない」 南「おう、いい加減メシ食いに行こうぜ」 圭吾「(腕時計を見て)あ、もう1時過ぎて  んな」 圭吾M「長続きしないんだ」 南「(苦笑いして)今年中に終わるといいな、  今度の仕事」 圭吾「(上着を羽織りながら)まあな」 ○同・中・通路   圭吾と南が歩いて来る。 圭吾M「今年もそうなんだろうか……」   激しく頭を振る圭吾。 南「ダイジョウブか?」 ○定食屋・中   圭吾と南、二人ともソバをすすっている。 南「お前、明日はどうする?」 圭吾「どうもしねえよ」 南「いっしょに残業するか?(笑)」 圭吾「知らねえ」   と、圭吾のケータイが鳴る。(音楽でも可) 南「会社から?」 圭吾「いや、個人用」 南「じゃ、出ろよ」 圭吾「後でいいさ」 南「(食事を止めて)……余裕?」 圭吾「(上目遣いで)何が?」 南「いやいや(と食事を再開)」 圭吾「……」 ○ひるまの会社・外観 ○同・中・トイレの中・洗面台の前 ひるま「(ケータイを眺めて)おかしいなあ  ……」 ○圭吾の会社・中・トイレの個室内 圭吾「……(ケータイをチェックしてる)」   ケータイ画面には「ひるま」の文字。   圭吾、ケータイを操作しようとするが止   める。 圭吾「メールぐらい寄こせってんだ」 ○圭吾のアパート・外観(夜)    ○同・圭吾の部屋の中(夜)   電気はついてない暗い部屋。   ただ、外の明かりが差し込んでいる。   その中でケータイを眺める圭吾。 圭吾「来ない……か」   圭吾、ケータイを閉じる。 ○圭吾の会社・中のオフィス(次の日の朝) ○同・南の席(朝)   鼻歌などしてる南、軽く資料整理など。 圭吾「よう」 南「お……おわっ!」 圭吾「何だよ」 南「スゲエ顔だよ……」 圭吾「そうかな?」   圭吾、目の下にクマできてる。 林課長「上本クン、ちょっと……」 圭吾「はあ……」   南、怪訝そうな表情。 ○同・中・トイレの個室内   必死にケータイ操作してる圭吾。 ○同・中・南の席 圭吾「南ぃ……」 南「うわっ!!」   さらにやつれた圭吾の顔。 圭吾「早退しても……いいか?」 南「オレに言われてもなぁ……」 圭吾「いねえんだよ課長……だから頼む」   去っていく圭吾。 南「あのなぁ……」 ○ひるまの会社・入り口付近(昼休み)   ひるまたちOLが談笑しながら出てくる。   と、物陰から出てきた圭吾に腕を掴まれ   るひるま。 ひるま「きゃあっ!!」   ひるまの同僚らはとりあえず離れる。 圭吾「聞いてくれ! ひる……」   ひるまの空いている腕から繰り出される   パンチ。ガッ! 圭吾「うっ」 ○圭吾の会社・中・オフィス   林課長の前で立ったまま話してる南。 南「(頭をかきながら)……というわけで、  ってオレもよく分からないんすけど……」 林課長「(ムッとした顔で)大方これのこと  だろう」   ケータイの画面を見せる林課長。   画面には「ひるま」の文字が並んでいる。 南「あらぁぁぁ〜」    ○ちょっとした公園のベンチ   頬にアザをつけた圭吾とサンドウィッチ   食べてるひるま。 圭吾「オレが悪かったよ、会社の方のナンバ  ーを……」 ひるま「もういいよ、食べる?」   サンドウィッチを1つ差し出すひるま。 圭吾「一人じゃないイブは初めてだよ……」   と、手を伸ばす圭吾。   サンドウィッチ引っ込めるひるま。 ひるま「まだOKしてないよ」   圭吾、泣きそうな表情。 ひるま「いいもの買ってもらわなくちゃね」 圭吾「(表情明るくなって)頑張るよ!」 ひるま「じゃOK」   と、さっきのサンドウィッチを食べるひ   るま。 圭吾「食べちゃうのかよっ!!」 ひるま「おいしー♪」   二人の俯瞰。               −了− ※仕事の連絡は会社で部署に支給されるケー タイで行っているという設定です。 部署としては総務あたり。 (営業マンなら各自支給される可能性大なのでw)