タイトル『レイコな相談事情☆』 レイコ(27)進路相談担当教諭。(メガネあり) ミナモ(17)高校生。お間抜け。 ○進路相談室(中) レイコが怒りに震えている。 手にはミナモの第1次進路調査票。 レイコ「ぬぬぬぬぬ!!」 × × × レイコとミナモが座って対峙している。 レイコ、ミナモの調査票を叩きながら、 レイコ「何じゃ、この希望進路は!?(怒)芸能人、大 統領、ペット愛好家……もっとマジメに考えんかい!」 ミナモ「思いつくままに表現しました(笑)」 レイコ「芸術かっ!!」 レイコ息切れ。(ゼイゼイ) 何とか落ち着こうとしている。 レイコ「もっと現実的にならんか。お前の人生なんだぞ!」 ミナモ「じゃ、永久就職っ!」 レイコ「ぎぎぎぎぎ(怒りに震える)」 ミナモ「ちなみに永久就職というのは……」 レイコ「知っとるわい!!」 ミナモ「センセイ独身?」 レイコ「ム・キーッ!!」 廊下まで響く叫び声。 相談室前を通りかかった生徒が驚く。 ミナモ「ああ、逆鱗に?!」 × × × 机の上に2つのティーカップ。 レイコ、紅茶をすすりながら、 レイコ「(素に戻って)ま、確かに進路を決めるっての はムズカシイ問題だが……ボンヤリしてると後がタイヘ ンだぞ!」 ミナモ「クッキーとかないすか?」 レイコ「あー、もう!!(怒)」 ミナモ、やや真剣な面持ちで、 ミナモ「でも、何を書いていいか、ゼンゼン分からない んですよお」 レイコ「ったく……」 レイコ、後ろにある机の引き出しを探り、数枚の 紙を取り出す。 レイコ「例えばコレは、とある生徒の調査票なのだが、 参考になるぞ、ほれ」 ミナモ「(受け取って)ほえ〜、スゴーイ!」 レイコ、紅茶をすすりながら目を軽く伏せる。 レイコ「参考にしなさい」 ミナモ「名前、大神レイコ」 レイコ「うっぎゃー!!! 返しなさい!(名前を消し 忘れた)」 レイコ、ミナモから調査票を奪い返そうとするが、 ミナモそれをかわして読み続ける。 ミナモ「特技はクラリネット演奏〜♪」 レイコ、一旦静止して、 レイコ「く……、あ、そうそう確か青海屋のクッキーが」 ミナモ「お返しします(アッサリ)」 × × × レイコ、ミナモから聞き取りをして、調査票を埋 めている。 レイコ「何でわたしが……まったく世話の焼けるヤツだ なあ……」 ミナモ「ありがたきシアワセ♪」 レイコ「ほら、こんなカンジ」 と、できあがった調査票をミナモに渡すレイコ。 ミナモ「わー、何かわたしがすごいシッカリ者みたい!」 レイコ「自分の性格のいいところとか、好きなことなん かがヒントになるんだよ」 ミナモ「そうなんだ……」 レイコ「今回のは予備の調査だからね、次の提出まで、 まだ考える時間はあるからな」 ミナモ「はい! そっか……これならあたしも大統領と かなれるかも知れないですね♪」 レイコ、アタマを抱える。 おわり <附記> コントの台本みたいですがw 進路調査票は特に決まったフォーマットはないようです。 調査回数、時期もまちまち。 シンプルなのは単に志望校を列挙せよとか、 どの業種が好きかアンケートみたいなのもありますね。 このシナリオでは、自己分析〜適性認知まで含めた 「ていねいな(?)」進路調査をさせている設定です。。。